FPT、コロナ孤児たちのために学校を設立

テクノロジー企業FPTのチュオン・ザー・ビン(Truong Gia Binh)取締役会会長は、新型コロナウイルスで両親を失った1,000人の子どもたちのために学校を設立することを決定した。この学校は孤児たちが成人するまで教育を提供し生活支援を行う。

中部都市ダナンに設立され幼稚園児から大学生までがキャンパスで生活しながら学べるようになる。
子どもたちが社会性を身につけながらも、規律を守り、教育に時間をかけて成長し、国のためになる人材になることを目指す。
今後20年間で1,000人の孤児を受け入れ、教育を提供する予定で、年間のコストは約800億VND(約3億8,600万円)に達するとみられる。

従業員4万人を抱える同社は、このような子どもたちを受け入れ社会の一員として成長してもらいたいと考えています。これは私たちにできることであり、しなければならないことですという。

また、ビン氏は子どもたちの可能性を最大限に引き出す手助けをするべく、技術、科学、芸術など、自分の得意な分野を追求できるようにしていきたいと話す。

この学校設立にはビン氏の子供時代の経験がかかわっている。
戦時中に生まれたビン氏はたった8歳で疎開し、家族と離れる寂しさ、空腹、寒さに耐える生活を強いられた。しかし、その環境は自身を急速に成長させ、同じ境遇の仲間と困難を乗り越えたことで強いきずなで結ばれ親友として今でも付き合いが続いている。

コロナで孤児になった子供たちにも多くの克服すべき問題が待ち構えているだろうが、それを成長の糧としてほしい。そして仲間と協力して困難を解決する力と才能を磨き、国のためになる人になってくれることを願っていますとビン氏は話す。

教育の大切さについても思い入れが深く、イスラエル建国時にアルバート・アインシュタインが全てのお金で大学を立てるべきと提案したことに感銘を受けたという。
そのため科学者から起業家になったビン氏は教育と科学の力は強力な国をつくるという信念を持ち続けている。

起業後、まだ国が禁輸措置を受けていた1991年に独自のトレーニングセンターを開設し教科書を作成し、優れたベトナムのITチームを育成し始めた。 1999年までにソフトウェアの輸出をし、わずか10年後にベトナムでナンバーワンのソフトウェア企業となった。現在は9万人の学生がトレーニングセンターで学んでいる。

これらの経験は学習と創造性が若者に力をもたらすという信念と教育環境を整える責任を実感させられます。将来、彼らの革新的な科学が国の成功を支援する中核になると信じていますとビン氏は期待を込めて語った。

ホーチミン市教育訓練局(Ho Chi Minh City Department of Education and Training)によると、9月の新学年開校時で1,500人以上の子どもが新型コロナウイルスの影響で孤児になっている。