消費者の商品選びへの意識が高まるにつれ、ベトナムでもケージフリー卵の需要が高まるという研究結果が出ている。
さまざまな卵製品の中でケージフリー卵は複数の利点があるが、最も重要なことは産卵鶏が自由に動き回り自然な行動をとることができるため動物福祉状況を改善することである。
高まるケージフリーへの動き
消費者意識の高まりと企業努力により、ケージフリーの卵製品への支持が高まっている。
ヨーロッパでは過去20年の間に、ケージフリー鶏卵の割合が全生産量の10%から50%以上へと上昇した。
米国では過去10年間で、ケージフリー鶏の卵の割合は4%から30%以上に増加し、2025年には50%以上に達すると予測されている。
OREO、LUビスケット、Cadbury Dairy Milkといったグローバルブランドを所有するモンデリーズ・インターナショナル(Mondelēz International)は現在、米国とカナダのブランド、ヨーロッパのすべてのチョコレートブランド、ベルギーとオランダで販売するビスケット製品で100%ケージフリー卵を使用している。
ベトナムでは、最大の鶏卵供給・加工企業のひとつであるヴィン・タイン・ダット(Vinh Thanh Dat /V. Food)が、地元初のケージフリー卵ブランドを立ち上げている。
初年度に数千羽の鶏がケージから解放され、すべての動物の保護に取り組む世界的な組織Humane Society International(HSI)の支援を受けながら今後も拡大していく予定である。
企業の社会的責任目標の一環としてケージフリー卵の調達方針を採用する食品会社が増えていることから、世界の食品業界からのケージフリー卵に対する需要の高まりに応えることとなる。
菓子製造のモンデリーズ・キンドー・ベトナム(Mondelez Kinh Do Vietnam)は、CPG(消費財)業界でいち早くケージフリー卵の使用を開始することを発表した。
動物愛護の信念に基づき、家畜の生活向上に貢献するHumane Farm Animal Careの認証を受けた地元の新鮮な卵を使う。
これがやがて業界の変革につながると期待していると同社は述べている。
消費者の意識
今年発表された食品・飲料会社モンデリーズ・インターナショナル(Mondelēz International)の第3回「State of Snacking™ Report」によると、消費者がどのように間食を決定しているかの調査において消費者が意図的に商品を決めていることが分かった。
世界の消費者の大多数(85%)は、エコロジカル・フットプリントを考慮した企業から菓子を購入したいと考えている。
また、自分たちが食べている食品が人道的で安全なサプライチェーンで生産されたものであるかどうかを知りたがっている。
ESI Insightsの調査でも、67%の消費者が食品の購入に際して動物福祉をすでに考慮していることが示されている。
ケージフリーに必要なもの
ベトナムには数千の鶏卵生産者がおり、毎年数十億個の鶏卵を市場に供給している。国連食糧農業機関(FAO)によると、7,707万羽の鶏がおり2019年には82億個の卵を産んだ。
ケージフリーへの移行には投資と専門的な管理が必要となる。
したがってNGOや大企業からの技術的・経営的支援があれば、ベトナムの鶏卵生産者はより人道的な扱いを実践し世界中で高まっているトレンドに溶け込むことができる。
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