ベトナムは、インドネシア、中国に次ぐ世界第3位のシナモンの生産・輸出国であり、その将来性は計り知れないものがあるとされる。しかし、持続的な発展のためには、多くの課題を慎重に克服する必要がある。
ベトナムのスターアニスやシナモンは、インド、中東、日本、韓国、米国、欧州の市場で消費されており、年間の輸出収益は約4億ドル(455億円)に達している。
総面積約20万ヘクタールのシナモン栽培は、遠隔地の少数民族の数十万世帯を雇用し、多くの自治体の社会経済発展に寄与している。
発展への弊害
スターアニスとシナモンの加工・輸出を手掛けるVINASAMEX(Vietnam Staraniseed Cassia Manufacturing and Exporting Joint Stock Company)の取締役会会長によると、生産者はいまだに昔ながらの栽培と経験を頼りにしており、先進的な方法を取り入れようしないため、生産されるシナモンの品質は国際輸出の基準を満たすほど高くないと指摘する。
さらに、国内には600社以上の香辛料関連企業が存在するが、ほとんどが売買にしか興味がなく、農家とのつながりを築こうとはしていない。
バリューチェーンにおいて農家と協力関係にあるのはごくわずかなため、生産者は価格の問題に直面することが多い。
また、家族経営で生産規模も小さく、同業者同士の結束力や情報共有もなく変革を求めようとしないことが現状にある。
このように生産者と販売業者の双方に今後の生産に対する意識がないことが問題であるという。
成長のための一歩
国際連合食糧農業機関(FAO)のワークショップでは、2019年のベトナムのシナモン総生産量は41,408トンに達し、世界の生産量の17%を占めたと報告された。
また、現在、世界のシナモンの需要は供給を8~12%上回ると推定され、こうした需給のアンバランスにより、特に2016年から現在に至るまで、シナモンの価格は上昇しているという。
これはベトナムにおけるシナモン開発の大規模な変革につながる可能性がある期待されている。
しかし、生産活動だけでなく、調達、加工、輸出業務増加に対応できる戦略的かつタイムリーで持続可能な管理を行わなくてはこのチャンスを活かすことはできない。
ワークショップの参加者の多くは、まず世界各国で効果的に運用されているスパイス協会のような、利益を確保し、会員間で市場情報や開発の方向性を共有するため協会の設立がベトナムでは必要であると意見している。
シナモンは、世界中で非常に人気のある香辛料で食品加工などのスパイスとして使われるだけでなく、化粧品や医薬品を製造にも使われる。
ベトナムにおいてはイエンバイ省(Yen Bai)ヴァンイエン郡(Van Yen)が国内最大の面積(16,000ヘクタール)と生産量を誇り、シナモンの都として知られている。ヴァンイエンシナモンは、国内で最も優れた品種とみなされている。
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