専門家によると、アジア太平洋地域のほとんどの地域では冷蔵倉庫(コールドストレージ)が比較的少なく、日本やオーストラリアなどの先進国市場では、米国や西ヨーロッパ諸国に比べて総供給量が少ないという。
不動産サービスのサヴィルズ・オーストラリア(Savills Australia)によると、このパンデミック時に食品配送サービスが爆発的に増加したため、冷蔵倉庫の需要は増え続けている。
中国の一部の冷蔵倉庫センターでは賃料が上昇し、生鮮食品の流通が急速に発展したことで、倉庫用不動産、特に冷凍倉庫の需要が高まっている。
韓国のソウルでは冷蔵倉庫資産の価値が高まっているが、新たな冷蔵倉庫センターの建設許可は容易に取得できない状況だ。
ベトナムにおいては、パンデミックによってサプライチェーンの価値が再認識され、外国人投資家がベトナムでの冷蔵倉庫・低温貯蔵施設の開発に多くの関心を寄せている。
ロンタイン国際空港のような大規模なインフラ投資や開発により、将来的には供給ルートが再構築され、冷蔵倉庫施設は今後も成長していくだろうと予測している。
急務とされる冷蔵倉庫の拡大
農業・農村開発省によると、今年の1~9月の農林水産物の輸出額は、パンデミックにもかかわらず、前年同期比17.7%増の355億ドル(約12兆円)と推定されている。
しかし、農業専門家によると農産物や水産物の輸出が増加している一方で、冷蔵倉庫の供給が需要を満たせていないのが現状だ。
過去3カ月のパンデミックのピーク時には、水産物の輸出注文の約50%がキャンセルされたため、在庫が増大し冷蔵倉庫は最大の能力で稼働しなければなりませんでしたと話す。
同国には現在、農産物や水産物の保存サービスを提供する48の冷蔵倉庫がある。これらの施設は、約70万パレット、200万トンの製品を保管することができる。
しかし現在の施設では、国全体はもちろん、メコンデルタの農水産物を保存するだけの容量をまだ満たしていない。
最近、ベトナムシーフード輸出業者および生産者協会は、冷蔵倉庫の深刻な不足が数多くの自由貿易協定(FTA)に影響を与えているとして、農業・農村開発省に企業が最低でも5,000パレットの容量を持つ独自の冷蔵保存施設を建設することを支援する政策を求めた。
市場調査会社ケン・リサーチ(Ken Research)によると、ベトナムのコールドチェーン産業は、スーパーマーケットや水産物の輸出業者の増加により、2016年から21年の間に推定年平均成長率10.4%を達成した。今年の市場規模は18億ドル(約2,060億円)に成長すると推定されている。
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