労働・障害・社会省(MoLISA)は、時間外労働を現行の月40時間から72時間に調整し、同時に時間外労働の枠組みを現行の200時間から、すべての業種において年間300時間に適用することを提案している。
この提案が国会常任委員会で承認されれば、長年にわたって残業時間の上限緩和を切望してきたメーカーにとって朗報となる可能性がある。
多くの雇用主によると、残業時間の制限は外国企業、特に製造業に影響し、外国人投資家がベトナムで企業に出資するかどうかの判断に大きな影響を与える可能性があるという。
そのことから現地労働者の残業時間の上限を通常の産業では300時間、一部の特殊な状況では400時間に調整することを期待している。
また、経済団体は近年の経済的な問題の余波で財政が疲弊しているため、多くの労働者がより多くの収入を得るために時間外労働をすることを望んでいるだろうとみている。
ベトナム繊維アパレル協会(VITAS)は現状の困難について言及している。
同協会は、メーカーが過剰な注文に対応するためには、時間外労働の制限を撤廃することが必要であとし、企業は納期を守り、顧客の信頼を取り戻すために、生産を加速させる必要があると訴える。
しかし、労働組合は時間外労働の上限撤廃・引き上げに反対している。
南部ビンズン省(Binh Duong)のVSIP1工業団地の労働組合代表は、残業時間の上限は議論の必要性がある問題です。一部の従業員は時間外労働もいとわない人もいるが、稼がなければならないという状況が精神的なプレッシャーと健康被害を与える恐れもあるという。
外資系スポーツウェアメーカーFar Eastern Apparel Vietnamの労働組合員は、ピークシーズンには多くのメーカーが従業員に残業をさせ、法律で規定された時間外労働を超えることもあるので、今更この提案を出す必要はないと述べた。
現在、ほとんどの業種で残業時間を月40時間、年200時間に制限し、衣料・繊維、履物、農産物加工、発電、通信、石油精製、給排水、電子機器など一部の業種では年300時間に制限している。
※これらのニュースは各ソースを参考に記事を編集・制作しています。