医療従事者の流出による現場への影響

投稿: KilalaJun 30, 2022

ⓒ VnExpress

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ホーチミン市では、第1四半期内に約400人の医療従事者が辞めている。
2021年には南部の都市で1,154人の保健師が辞め深刻な人材不足の引き金となった。

現在、医療スタッフや医薬品の不足がデング熱の重症患者や死亡者の多発の原因となっている。
今年は現在までに約19,000人がデング熱に罹り、昨年同期比151%増と全国最多の患者数を記録している。
そのうち、重症者は311人、死亡者は10人で、昨年に対して7人の死亡者が増加した。
市内の病院では過密状態が報告され、廊下に置かれたベッドに患者を寝かせている。

クチ総合病院では医師200人のうち40%は5年未満の経験しかなくデング熱の治療をしたことがなく、デング熱の重大な兆候を見逃し病状が悪化するケースもでているという。

一方、経験豊富な医師は辞めたり他の病院へ移ったりしているという。

このような状況は市全域の病院で問題になっている。
昨年6月から10月まで続いたパンデミック後、区や町の医療センターで働く400人の医療従事者が退職している。その理由のほとんどは過重労働と低収入である。
医療従事者は感染症から国民を守るための業務を担っているにもかかわらず、現在の医療センター長の月給は600万ドン(約3万5000円)、看護師や薬剤師は375万ドン(約2万2000円)だ。
彼らはデング熱に最も感染しやすい場所に赴き消毒薬を散布する役目も担っている。

ホーチミン市は4月により多くの人材を集めるため、2025年まで310カ所の医療ステーションに年間1380億ドン(約8億800万円)を拠出する決議を採択した。

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ハノイでも人材が不足

ハノイでは約900人の医療従事者が過去18カ月の間に辞めたり職場を変えたりしており、首都の医療従事者不足を引き起こしている。

医療現場での労働者の流出、新型コロナウイルスの亜種や発生の危険性が考えられる中、ハノイ人民委員会は労働者が足りなければ予測不可能な大惨事もありえるという。

実際、3月には多くの新型コロナ患者が仕事に追われる保健所職員と連絡が取れず、自宅で治療せざるを得なかった。
ホアンマイ地区やドンダー地区では市民3万人に対して保健師が5〜10人しかおらず、新型コロナに感染した人も働かねばならず、その結果、医療の質が低下してしまった。

パンデミック以降、医療現場はスタッフが少なく仕事量は多い、収入や福利厚生が低いことから、多くの人が辞めたりより良い職を求めることを選択している。

ある医療従事者は仕事量が多すぎる一方で、給料が生活するのに十分でなかったと話す。
パンデミック時は毎日毎日、接触者追跡とワクチン接種を行いプレッシャーは高まる一方なのに、「ボーナス」は50万ドン(約2900円)しかもらえなかったと話す。

ハノイ市保健局は人民委員会に対し医療従事者を支援する政策の導入を要請し、来月上旬の会議で人民評議会に提案される予定だ。

〈VnExpress〉
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