新型コロナの発生以降に広まったオンラインでの食品購入と小売業におけるプラスチック包装の普及は、プラスチック廃棄物の量を増やし長期的な健康リスクを引き起こす可能性があるとされる。
市場調査会社Q&Meの調査によると、昨年ハノイとホーチミン市に住む人々の75%がオンラインの食品配達サービスを利用した。
こうした食品は通常、プラスチック製の箱に詰められており、食品包装産業で使用される材料の総量の64パーセントを占めている。
多くの業者はオンラインや実店舗で販売されるさまざまな商品を入れるためにビニール袋を好んで使用している。
これらの傾向は脱プラスチックの流れの妨げとなっている。
廃棄物削減を働きかける企業
ホーチミンの非営利ソーシャルプロジェクトProCi Foodや、フーイエン省のTuy An Farmのような環境に優しい企業は、顧客に包装を送り返してもらい、メーカーに返却して加工・再利用してもらうよう呼びかけている。
ハノイのSap Chang Senのようないくつかのオンライン食料品店も、プラスチック廃棄物を最小限に抑えるために同じ方法を適用している。
ホーチミン市のKafka BookstoresとハノイのStars Bookstore Company Limitedは、包装による廃棄物を減らし、事業運営による環境への影響を和らげるためのソリューションを顧客と共有している。
政府の取組み
2026年から使い捨てビニール袋を顧客に配布した場合、罰金を科すこととした。
また、2025年までにショッピングセンターやスーパーマーケットで環境に配慮した袋を100%使用することを目指している。
ハノイ工業貿易省傘下の天然資源環境戦略・政策研究所によると、ベトナムはプラスチック廃棄物の環境への深刻なリスクを制御するために様々な法律文書を発行してきた。
健康への影響
国連環境計画によると、人々が毎日捨てているプラスチックのうち、リサイクルされたり、ゴミ焼却施設で焼却されるものはほとんどなく、その多くは埋立地に運ばれる。
分解に1000年かかることもあり、土壌や水に有毒物質が漏れ出す可能性があるという。
プラスチック廃棄物の害について啓蒙することを目的としたオランダの非営利団体プラスチック・ヘルス・コーリション(PHC)によれば、人々は毎日マイクロプラスチックを食べ、飲み、吸っており、これらの小さなプラスチック粒子は体内に入ると健康に害を及ぼす可能性がある。
プラスチック製品には化学添加物が含まれており、その一部はホルモン関連の癌、不妊症、ADHD(注意欠如・多動症)や自閉症などの神経発達障害などの深刻な健康問題に関連しているとPHCは述べている。
プラスチックやマイクロプラスチックが環境中に行き渡ると、有害なバクテリアなどの微生物を引き寄せ、これらの病原体を含むマイクロプラスチックが体内に侵入すると、感染症のリスクが高まる可能性があると警告している。
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