カシューオイル製造が環境汚染の解決と収益に貢献

投稿: KilalaJul 13, 2022

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カシューナッツの殻は焼却しなければならず環境汚染を引き起こしていた。
しかし今日はビンフォック省(Binh Phuoc)の多くの企業がその殻から工業生産と輸出のための油の抽出をしている。

同省は、134,000ヘクタール以上のカシューナッツ栽培地、200社以上の企業、約1,400のカシューナッツ加工施設を擁する。
カシューナッツの加工活動の発展に伴い、カシューナッツの殻の排出量も膨大なものとなっていた。そのためカシューオイル生産企業の設立は汚染問題を解決し、現地のカシューナッツ生産・加工産業の価値を高めるのに役立っている。

ⓒ SaigonGiaiPhong

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フオックタン農産物加工会社(Phuoc Thanh Agricultural Products Processing Company)は、10年間カシューナッツ加工分野で事業を行った後、2011年にカシューナッツの殻から油を抽出する工場建設への投資に切り替えた。
現在、40台以上のカシューナッツ搾油機で、毎日1500トン近くのカシューナッツの殻を消費し、230~250キログラムのカシューオイルを製造している。
価格は1キログラムあたり1万ドン(約58円)で年間数十億ドンの収益を上げている。
同社社長によると、カシューオイルの市場は非常に大きく常に拡大している。そのうち、中国、韓国、日本、ヨーロッパ、アメリカなどの国々へのカシューオイルの輸出は生産高の80%を占めているという。

現在、同省にはフオックロン町(Phuoc Long)を中心に約30のカシューオイル搾油工場がある。

ある工場の責任者によると、カシューオイル工場の投資費用は平均して15億ドン(約870万円)から20億ドン(約1160万円)であるが、原材料の価格が安く供給も豊富で輸出市場も広く開かれているため経済効率は大きいと話す。

このカシューオイル製造は地元労働者の雇用を創出するほか、最大のメリットは環境保護に貢献することである。

ミーハン社(My Hanh Company)の場合は、毎日9~10トンのカシューナッツの殻を排出しており、以前は可燃物として使用され環境に大きな影響を与えていた。一方、廃棄物として処理されると輸送や集積場など企業にとって大きな負担となっていた。
同社副社長は、地元企業がカシューナッツの殻から抽出したオイルの輸出を推進するようになってから、カシューナッツの生産施設にとっては収益が上がり、コストも環境汚染も起こさないという好条件が整いましたと話す。

同様にホアンロンカシューナッツ生産施設(Hoang Long cashew kernel production facility)も、毎日約30トンの生カシューナッツを処理し約20~21トンの殻が出ていたが、カシューオイル製造企業が毎日殻を回収してくれるので廃棄する場所を探す必要がなく利益も得られるようになったという。

カシューオイル:
カシューナッツの殻に含まれる天然の植物油(カシューナットシェルリキッド; CNSL)である。カルダノールを主成分とし、カルドールや2-メチルカルドールを含むフェノール性化合物の混合物である。工業的にはフェノール樹脂や塗料、自動車用部材の原料として利用されている。

また、2017年、国立大学法人東京農工大学大学院と明治大学の研究により、カシューオイルから、環境や人体に有害なホルムアルデヒドなどの化合物を使用せずに室温で成形可能なグリーンプラスチックが開発された。
この材料はフィルムや樹脂への成形性に優れ、耐熱性、酸・アルカリ・有機溶媒に対する耐薬品性、さらには大腸菌や黄色ブドウ球菌に対する抗菌特性も有しており、フィルムや樹脂としてパッケージングやコーティング材料をはじめ、自動車部材から電子材料部材まで幅広い材料分野への応用展開に期待できる。

ⓒ Tokyo University of Agriculture and Technology

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〈SaigonGiaiPhong/Tokyo University of Agriculture and Technology〉
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