環境に配慮した稲作とエビ養殖の両立農法の拡大

投稿: KilalaDec 20, 2021

ⓒ Vietnam News

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メコンデルタでは、効率的かつ持続可能で、気候変動に適応し、環境に優しい農業モデルとして、稲作とエビの養殖の両立が拡大している。

国内最大の米・魚介類生産地であるメコンデルタは、例年、乾季になると沿岸部の河口を経由して海から塩水が侵入し米が作れなくなる。これを利用し乾季には海水を田んぼに取り込んでエビを養殖し、雨季には淡水(主に雨水)を使って稲作を行う農法を促進している。

この方法は化学薬品をほとんど使用しないため環境にやさしいく、エビの養殖後は排泄物や生物の残滓が畑の土壌の肥料になり、さらに稲作後のエビ養殖ではほとんど病気がないなどのメリットがある。

特にキエンザン省(Kien Giang)で、この農法を取り入れている面積は2000年の1万2,300ヘクタールから、2010年には6万ヘクタールに増加し、現在では10万2,486ヘクタールに達している。 
この農業モデルは持続可能な開発とされ、省の農業・農村開発局が農民に栽培技術を提供している。

ベンチェ省(Ben Tre)では、この農法を取り入れ農民の所得が米だけの栽培に比べて2~3倍に増加した。8,000平方メートルを管理する農民は、稲作栽培だけの時より年間1億ドン(約50万円)以上の利益を得ている。
同省のタンフー地区(Thanh Phu)は、1ヘクタールあたり年間平均7,000万~8,000万ドン(約35~40万円)の利益をもたらし、気候変動にも適応しているとし多くの農民に拡大を働き掛けている。

昨年、バクリュウ省(Bac Lieu)はブランド米の稲作・エビ養殖モデル地区150ヘクタールを3つ設置した。 農業農村開発局は、2025年に面積を43,000ヘクタール以上に拡大する予定であるという。

しかし、メコンデルタのほとんどの地方では灌漑システムが不完全なため、沿岸部では稲作を雨水に頼っているのが現状である。
さらにほんどは開水路であるため、高温と干ばつの影響を受けやすく塩水が田んぼに入り作物にダメージを与えることもある。
この環境にやさしく持続可能な農法を拡大するためには、灌漑プロジェクトの建設資金の調達が急務であるとされている。

〈Vietnam News〉
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