ホーチミン市の多くの労働者は、無給休暇や職場での新型コロナウイルス(COVID-19)の感染を恐れ、仕事を辞めて故郷に帰る選択をしている。
中部のクアンガイ省出身のトゥイさんは、台湾の靴会社で労働環境も気に入り10年以上働いていたが、最近、辞職して故郷に帰ることを決めた。理由は新型コロナウイルスの影響で保育園が閉鎖され、娘の世話をするために休暇を取り収入が減ったことに加え、1日中狭い部屋で娘といる辛さと将来的な不安からだという。
リンチュン輸出加工区の縫製工であるオアンさんは、会社が閉鎖し1カ月以上仕事に出ていないという。家賃や生活費が賄えないし、仕事を再開したときの感染リスクを考え帰郷を選んだ。同僚も仕事再開時に賃上げを約束されているにも関わらず辞職をした。
フルカワ・オートモーティブ・パーツ・ベトナム(FAPV)の労働組合長であるホアン・スアン・タイ氏によると、当局の感染防止対策措置に基づいて操業しているが、労働者が不安を覚え突然辞職をしたり、自宅封鎖が解除された後も出勤しない労働者もいて、規制が緩和されても労働者を集めるのは難しいという。
ベトナム国内に30以上の工場を持つ大手消費者向け小売企業のマサングループも、主に労働者の退職や休暇の多さから労働力不足に悩まされている。小売チェーン・ビンマート(Vin Mart)を運営するビンコマース(Vin Commerce)のグエン・ティ・フォン副社長は、今年は輪番制の休暇取得率が過去最高の100%になると予想されており、当社の従業員は大きな影響を受けていると語った。
ホーチミン市大手スーパーチェーンの責任者は、パンデミックの影響で従業員の30%近くが隔離され、他の多くの従業員も感染を恐れて辞めてしまい、その結果、同社に残っているほとんどの従業員は、1日20時間も働かなければならないという。
このような労働者不足は、ホーチミン市のみならず南部各地の生産業に多大な影響を与えている。
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