残業時間の上限を引き上げ

投稿: KilalaMar 29, 2022

ⓒ VnExpress

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労働者の月間残業時間の上限を40時間から60時間に引き上げることが決定され、年末までに適応されることとなった。
これにより、ほぼすべての職種において、年間の時間外労働の上限が200時間から300時間に引き上げることになる。

今回の決定は、労働・障害・社会省が、バイヤーの注文に応えなければならないという企業の切迫した状況に対応したものとなる。

残業は生活費を稼ぐための唯一の選択肢

ベトナム人労働者の多くは、残業時間の上限が引き上げられることを望んでいる。それは日々の生活費をまかなうための唯一の収入源だからにほかならない。

北部トゥエンクアン省(Tuyen Quang)出身の労働者のひとりが昨年仕事を探し始めたとき、最も重視したのは雇用主が残業を許可しているかどうかだった。
残業があると夕食代が会社から支給され、月給(約900万ドン/約4万8000円)は残業をしない労働者に比べて50パーセントも高くなるという。
家賃や食費を差し引いた残りの600万ドン(約3万2000円)を故郷の母に送る彼の生活は、会社で働き帰宅後に料理や洗濯をしSNSを見て寝るだけである。

現在勤める電子機器メーカーでは、1人当たり年間300時間の残業が認められている。
しかし、その上限を年間400〜500時間に引き上げようとしている。

同社の労働組合委員長は、ほとんどの労働者がもっと残業をしたいと望んでいます。労働者は会社の会議でその希望をはっきりと表明している。
その理由は簡単で現在の給与では最低限の生活費として十分ではないからですと話す。

平均最低賃金は5.7%引き上げられ370万ドン(約2万円)となったが、ガソリン価格は150%、調理用ガスは35%、食用油などの食材は20~30%高騰している。

社会生活研究所の所長は、残業は雇用者と被雇用者双方の承認が必要だが労働者はさらなる収入がどうしても必要なので、残業時間の上限引き上げには必ずイエスと言うだろう。
彼らは他に選択肢がないのです。最低賃金は生活費をまかなうことはできません。
しかし、若者は工場での残業で疲弊しており、長期的には国の保険、医療、退職金制度を圧迫することになるだろうと話す。

貧困と不正を根絶するために世界各地で支援活動を展開している国際協力団体Oxfamと労働者・労働組合研究所が2019年に行った調査では、衣料品労働者の69%が給与で生活費をまかなえないことが明らかになった。
31%は貯金をすることができず、37%は常に借金を抱えていた。

〈VnExpress〉
※これらのニュースは各ソースを参考に記事を編集・制作しています。

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