国際協力機構(JICA)は、ベトナムのネットゼロ(温室効果ガスの排出量を正味ゼロにする)目標の実現を支援する「地球規模の炭素プロセスに向けた天然ゴムに関する科学技術革新プロジェクト」を開始した。
JICAと科学技術振興機構(JST)は、ハノイ工科大学(HUST)および長岡技術科学大学(NUT)と協力してプロジェクトの協議記録書の調印式を開催した。
本プロジェクトは、日本政府の政府開発援助(ODA)「持続可能な開発のための科学技術研究提携プログラム」によるもので、JICAと科学技術振興機構が共同で資金を提供する。
2022年から2027年までの5年間、ハノイ工科大学と長岡技術科学大学が実施する。
これは2016年3月に終了したJICA・JST共同プロジェクト「天然ゴムによる炭素循環システムの構築」の発展形とされ、ベトナムでタンパク質を含まない天然ゴムの大規模な生産プロセスを確立するための先進的な技術開発に注力するとしている。
そのほか、ゴム製品の生分解や、低温室効果ガス(GHG)排出、資源回収を伴うゴム生産廃水システムの新技術も開発される。
日本の研究者グループのチームリーダーである山口教授は、本プロジェクトは、生物資源の持続可能な利用として、天然ゴムの利用率を高めるための産業基盤を確立することを目的としています。科学技術の革新により天然ゴム化学分野の発展のための基盤を構築し、プラスチックの代替となる天然ゴムから持続可能な製品を生み出すことに貢献できることを期待していますと話した。
JICAベトナムの清水所長は、技術革新は気候危機と戦うための鍵であり、持続可能な製品開発とGHG排出(温室効果ガスの排出)削減への貢献のための画期的な技術を追求する日本とベトナムの研究機関の連携の良い例となると確信していますと述べた。
ハノイ工科大学の副学長は、日本政府からの貴重な支援に感謝するとともに、このプロジェクトは本校が参加している重要な国際共同研究プロジェクトです。
長岡技術科学大学の一流の科学者と協力することは、ベトナムの研究者に科学技術研究および天然ゴム研究における革新と創造の能力を向上させる大きな機会を提供し、2050年までにネットゼロ目標を達成するといったベトナムの新たな挑戦の克服に役立つと強く信じていますと述べている。
ベトナム政府は、すでに2050年までにネットゼロを達成すると表明している。そのため、ファム・ミン・チン首相は、各省庁、地方自治体、企業などの関係者に対し、2050年までにカーボンニュートラルを達成するという目標に沿った、あらゆる部門における温室効果ガス削減に関する行動計画を策定するよう呼びかけている。
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