ここ数年、ベトナムでは希少疾病に注目が集まり、一部の希少疾病の診断、治療、管理ガイドラインが強化されてきている。
この進展を図るためベトナム保健省は、製薬会社などさまざまなステークホルダーと官民パートナーシップが模索している。
武田薬品ベトナムのカントリーマネージャーであるカナリーナ・ゲッペルト氏(Katharina Geppert)は、希少疾病対策に関心を持つ理由を次のように語っている。
希少疾病の患者数は世界でも少数で、しかも軽視されがちです。
世界には約3億5千万人の人々が希少疾病を患い、これは世界人口の3.5~5.9パーセントを占めることになります。
世界保健機関(WHO)によると、ベトナムでは約15人に1人、約600万人が約100種類の希少疾患に罹患していると推定されています。
複雑で希少な疾患は、診断、治療、管理が困難であるため多くの患者は5~7年かけて最大8人の医師を訪ね、適切な診断を受けるまでに最大で3回の誤診を受けることがよくあります。
約8,000種類あるとされる希少疾患のうち、95%は治癒可能な治療法が承認されていませんが治療法の選択肢は急速に進歩しており、私たちは希少疾患を持つ患者を一人も取り残さないようにより多く支援することを目指しています。
弊社と保健省医療サービス管理局は、2018年から2023年にかけて「ベトナムにおける特定希少疾患の診断・治療・管理の改善」に関する覚書を締結し、難病対策への取り組みを開始しました。
その結果、ベトナムは多くの希少疾患の診断、治療、管理において大きな進歩を遂げています。
医薬品の開発は患者の認知、診断から治療、継続的なサポートに至るまで、すべての段階において、医療システムを強化し変革するために、持続可能で的を射た方法でアプローチされなければなりません。
バイオ医薬品のグローバルリーダーとして、複雑かつ希少な疾患に対する革新性の高い医薬品を科学的に開発し、人々の生活に貢献することに努めています。
これまでのベトナムでの取り組み
1781年の創業以来、高い倫理観を持ち、社会にとって良いことを行いながら、患者の生活を改善することに努めてきました。
近年では、アンメット・メディカル・ニーズ(いまだ有効な治療方法がない疾患に対する医療ニーズ)に焦点を当て、革新性の高い医薬品やワクチンを創製し、患者にお届けすることを続けています。
複雑で希少な疾患に対する、革新的な医薬品への持続的なアクセスを通じて、地域のパートナーシップを向上させるための取り組みの指針となる実用的な枠組みを作成しました。
これは、患者の認識や診断から継続的なサポートまで、あらゆる段階において持続可能な能力を構築すること、革新的なアフォーダビリティ(価格が手ごろ)プログラム、患者のアクセス環境改善を可能にする政策立案者との協力に焦点を合わせています。
また、患者が必要な医薬品を入手するための経済的な障壁を克服するための革新的な解決策にも取り組んでいます。これらは持続可能であることが必要で、できるだけ多くの患者がアクセスできるようにする「患者支援プログラム(PAPs)」を実施しています。
さらに、患者と弊社、時には地方自治体や財団、医師会、慈善団体などが協力して患者の治療水準を向上させる、テーラーメード(各個人に最適な医療を提供する)の共同モデルを世界中で採用しています。
現在、アジア、アフリカ、中南米、中東、欧州の14ヵ国でこのようなプログラムを実施しています。
ベトナムでは特に、持続可能な能力を構築し、希少疾患やがんに関する認知度や診断率に関して患者のアクセスを拡大することにより長期的に信頼されるヘルスケアパートナーになること、さらにベトナムの医療に「アクセス第一の考え方」を提唱し、政府、非政府組織、政策立案者、医療従事者および患者を含む外部の関係者と連携して患者の支援を向上させることを進めています。
※これらのニュースは各ソースを参考に記事を編集・制作しています。