ベトナム通貨が対ドルで2年ぶりの低水準に

経済の先行き不透明感の中世界的にドル高が進み、ベトナムの銀行は7月4日、対米ドルでドンを過去2年間で最も低いレートで取引した。

国営のVietcombankではベトナムドンは先週末から0.3％下落し、1米ドル＝23,510ドンとなった。
同じく国営金融機関のBIDVで0.34％、Vietinbankで0.26％、民間金融機関では、Sacombankで0.21％、Eximbankで0.17％下落した。
この変化は、ベトナム国家銀行が7月4日にベトナムドンを対ドルで0.04％下落させ、今年最安値の23,121ドンとした後に起こったものである。

ベトナム国家銀行は為替相場の圧力を軽減するために市場に米ドルを供給している。
RongViet証券は中央銀行が今年、市場を安定させるためにベトナムの外貨準備の約10％に相当する100億ドル（約1兆3520億円）以上を市場に売却したと推定している。

ロシア・ウクライナ危機や中国の「ゼロ・コビット」政策によるサプライチェーンの混乱で世界経済が不安定な中、ドルインデックス（米ドル為替レートの指数）は先月から20年ぶりの高値圏で推移している。
世界的なインフレ懸念から、投資家は安全通貨として米ドルを買い増している。