事業転換で危機を乗り越える旅行会社

投稿: KilalaSep 2, 2021

―自ら配送をする チャン・シー・ソン社長 ⓒ cafebiz.vn

自ら配送をする チャン・シー・ソン社長 ⓒ cafebiz.vn

ハノイにあるPYSトラベルのチャン・シー・ソン社長(Tran Sy Son)は、新型コロナウイルスの流行で影響を受ける事業を維持するために、8月の初めから食品販売への参入を決定した。2018年に食品事業免許を取得していたためすぐに移行することができ、「Bep Bung Bu」というブランドを立ち上げフェイスブックページで情報を発信している。

ソン社長は深刻な状況に落ち込んだスタッフを励まし、食品事業への支持を得て活動を始めた。同社はベトナム北西部の観光専門会社で、その職業柄から地元のサーモンやチョウザメ、バインチュン、野菜などの特産品や関連製品についても熟知しており、すぐに安全で信頼できる業者と協力関係を結ぶことができた。

現在、この事業を担当しているスタッフは約20~25人で、残りの半分はまだ自宅で働いている。多くのガイドが配送という新たな仕事で活躍をしている。また、食品の配送人ということで優先的にワクチン接種できたことは幸いだった。

新たな仕事に従事するスタッフ ⓒ cafebiz.vn

新たな仕事に従事するスタッフ ⓒ cafebiz.vn

毎日約100件の注文を受け取り、そのうち40〜50件が個人、20〜30件がビジネス顧客で、野菜については400セットも注文を受けた日もあり、そんな忙しい日は社長自らが配送をしている。

ソン社長は「野菜セットは好評を得ています。ちょうど中秋節の贈り物である月餅の代わりとしても重宝されています。1セット100万VND(約5,000円)月餅よりも野菜と卵のセットは30万〜40万VND(約1,400〜1,500円)で購入でき、この時期には貴重でありがたい贈り物となっています」という。

販売する厳選された野菜 ⓒ pystravel.vn

販売する厳選された野菜 ⓒ pystravel.vn

始めたばかりのこの食品販売の顧客の3分の1は以前観光ツアーに参加をしたことのあるハノイの人たちだ。顧客開拓のためにも以前のツアー客に感謝の野菜ギフトを送ることもしている。さらにこの食品販売では、ツアーで実施していた、満足いただけなければ返金をする「品質保証サービス」を取り入れている。ツアー同様に「お客様第一」の精神で満足していただける物を届けるようにしている。

現在の会社運営費は10億VND(約500万円)/月かかっており、1日に100件の注文を受けてもスタッフの半数の給与の50〜60%を維持することしかできていない。現在の全スタッフに給与を支払うことができるように、1日平均300〜400件の注文が来ることを望んでいる。

また、このパンデミックが終わってもすぐに観光業を再開するのは難しいと考えており、さらに食品事業を拡大していくことをソン社長は計画している。

〈Cafebiz〉
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