チャン・ティ・タン・トゥイ選手(Tran Thi Thanh Thuy)は、この5年でタイ、台湾、日本のデンソーエアリービーズで活躍し、現在は石川県かほく市を本拠地とする「PFUブルーキャッツ」に所属するバレーボール選手だ。
身長193cmの彼女は、ベトナムで最も背の高い選手であり、東南アジアでは3番目に高い選手である。
代表チームの中心選手としても活躍する彼女の武器は驚くべきブロックとアタック力を持ち合わせていることだ。
13歳の時点で身長178cmだった彼女は、ロンアン省のバレーボールチーム「VTV Binh Dien Long An」のコーチであるルオン・クオン・トゥオン(Luong Khuong Thuong)氏に見出された。
トゥオンコーチは、彼女を見たときは自分の目を疑ったと当時を振り返る。
身長だけでなく、腕の長さ、リーチの長さ、垂直方向の跳躍力など、バレーボールに必要な要素が揃っていて、「ダイヤモンドの原石」を見つけたとすぐに確信した。
「何十年もコーチをしてきたが、彼女のような特殊能力を持った選手は見たことがない」とトゥオンコーチは言う。
さらにボールに触ったことがないにもかかわらず、彼女がバレーボールの熱狂的なファンで、テレビでよく観戦していることを知り喜んだ。
トゥオンコーチはすぐに彼女の両親に彼女がバレーボールの道に進むことについて説得をしたが、娘が学問の道に進むことを望む両親はなかなか同意してもらえなかった。
しかし、彼女の将来性について真剣に何度も粘り強く説明し、ようやく両親の許可を得ることができた。
トゥイ選手はすぐにロンアン省のトレーニングセンターに入り、トゥアンコーチから直接指導を受けメキメキを成長した。
2015年の18歳には、タイのNo.1クラブ「バンコクグラス」に招かれてプレーした。
タイリーグでの活躍により、トゥイ選手は地元のスポーツサイトSMMSPORTが2020年に掲載した記事で、外国人女性最優秀選手に選ばれた2人のベトナム人選手のうちの1人となった。
2017年には、台湾の「アタックラインVC」に移った。ここでも新クラブの期待を裏切ることなく、トップチームの公式戦出場権を獲得し、8試合を終えた時点で147点を獲得して得点ランキング2位となった。
また、2017年のアジア女子U23バレーボール選手権では、7試合で111点を記録し、ベトナムを3位に導いた。個人としては、初のタイトルとなるベストアウトサイドスパイカーに選ばれた。
同年の第29回東南アジア競技大会では3位、2019年の第30回大会では2位となり、キャプテンとして活躍した。
2019年にはタイやトルコからのオファーを断り、日本のデンソー・エアリービーズに参加した。試合数はそれほど多くはなかったが、高さを活かしたアタックとブロックの両方で活躍し足跡を残した。
2021年のVリーグ開幕戦は10月16日で、彼女の古巣であるデンソー・エアリービーズと対戦を予定している。
今後の日本での選手生活についてトゥイ選手は「デンソー・エアリービーズに所属していたときから、たくさんのことを学びました。次の大会では自信を持って、自分のすべてをコート上で発揮したいと思っています。一瞬一瞬を大切にして、あらゆる機会を利用して、自分をより高いレベルに押し上げていきたいと思います」と抱負を語っている。
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