苦境に負けず東京パラリンピック代表選手となった夫婦

投稿: KilalaSep 1, 2021

トップアスリートであるカオ・ゴック・フンさんとグエン・ティ・ハイさん夫妻 ⓒ Vietnam Net

トップアスリートであるカオ・ゴック・フンさんとグエン・ティ・ハイさん夫妻 ⓒ Vietnam Net

夫のカオ・ゴック・フンさん(Cao Ngoc Hung)と妻のグエン・ティ・ハイさん(Nguyen Thi Hai)夫妻は世界でも有名なパラアスリートである。
フンさんは2016年にブラジルのリオで開催されたパラリンピック大会でベトナム人選手として初めて陸上競技やり投げで銅メダルを獲得した。
今回の東京パラリンピックでは共に陸上競技で参加し、フンさんはやり投げ(座位F57)で6位、ハイさんは円盤投げ(座位F57)で10位の結果を残した。

生まれ持った才能
クアンビン省出身のフンさんは、2歳の時にポリオに感染し左足が不自由となった。一方、ニャンアン省出身のハイさんも3歳の時にポリオに感染し右足が不自由になった。
二人とも貧しい故郷を離れより良い生活を求めてホーチミン市に移り住み、タンビン地区文化スポーツセンターでスポーツ通じ知り合った。そこで二人は同じF57クラス(四肢欠損、関節可動域制限、筋力低下/車いすまたは 投てき台)で、槍投げ、円盤投げ、砲丸投げの練習をしている。

20年近くスポーツに携わってきたフンさんは、2005年以降、全国大会やASEANパラ競技大会で多くのタイトルを獲得し、その才能を発揮してきた。
フンさんは夫よりも遅く競技を始めたがすぐに頭角を現した。始めて数週間後には全国大会に出場し、2つの金メダルと1つの銀メダルを獲得し、2005年にはナショナルチームの一員となった。
さらに数ヶ月間の練習を経て、同年、ASEANパラ競技大会での国際的なデビューでやり投げ、円盤投げ、砲丸投げの3種目で金メダルを獲得し多くの反響を呼んだ。それ以来、この地域で彼女は無敵の存在となり、18年間で15個の金メダルを獲得し、記録保持者でもある。

困難な生活
このようにスポーツで輝かしい経歴をもつ夫婦だが、アスリート、仕事、家庭を維持する生活は大変なことである。

「もし私が先進国に住んでいたら、たくさんのタイトルや記録で大金持ちになっていただろう」とハイさんはいう。「パラアスリートの現実は月給やボーナスが支給されず、支給されても一般のアスリートの半分程度で、夫は不動産業者として働いているが生活費を稼ぐためにオンラインビジネスもしなければならない。
私たちは、ナショナルチームに招集されても、月に700万VND(約38,000円)程度のお小遣いしかもらえません」と続けた。

フンさんによると、「人々は大会前に多くのことを約束しますが、好成績を出したとしても大会後は口を閉ざしてしまいます。リオで銅メダルを獲得したとき、彼らは状況が変わると言っていましたが5年経っても何も変わっていない」という。
さらに「スポーツのポジティブなイメージを広め、広く社会に影響を与えるためには、さまざまな組織が手を組む必要がある」と述べ、「困難を抱えた国際的なアスリートは、高い結果を出せば大きなボーナスを受け取る。私たちも彼らと同じように世界で活躍する能力を持っている。ベトナムもスポーツキャリア支援し後押しするシステムができることを願っている」と語った。

家族でテレビ出演した時の様子 ⓒ Vietnam Net

家族でテレビ出演した時の様子 ⓒ Vietnam Net

〈Vietnam Net〉
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