ベトナム保健省は、新型コロナウイルスワクチン生産でシオノギ製薬と同国のVABIOTEC社とAIC社(Advanced International Joint Stock Company)が遺伝子組み換えタンパク技術のワクチン生産に関する技術移転で合意したことを明らかにした。保健省科学技術訓練局のグエン・ゴ・クアン副局長はシオノギ製薬との合意が対外秘であるとして詳細についての発表を控えると述べている。
日経新聞によると、シオノギ製薬は遺伝子組み換えタンパク技術を用いて、新型コロナウイルスワクチンを開発している。昨年12月に200人のボランティアを対象としたワクチンの臨床試験を開始し、現在、第2段階の臨床試験が行われており、今年9月末までに第3段階の臨床試験を開始する予定だ。このワクチンについては条件が整えば年内に日本国内で供給することが可能との見通しを示している。
ベトナムにおいては、AIC社が国内での第3段階臨床試験の実施計画(国立衛生疫学研究所経由)、および技術移転の手続き(VABIOTECH社経由)を準備している。2022年6月にはワクチンが完成し市場に出回ることを期待している。
これに先立ち、ロシア製ワクチンであるスプートニクVの半製品のチューブ包装を担当しているVABIOTECH社は、サンプルチューブをロシアに送り、品質チェックを行っている。予定通り8月10日に関連試験が終了した後、契約に基づいてスプートニクVのワクチンチューブを月500万本で生産することになる。8月中に50万本の生産を開始し、その後、年間1億本の生産を目指している。またベトナム政府はメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの国内生産について米国と協議していると明らかにした。
シオノギ製薬のワクチンは「遺伝子組み換えタンパクワクチン」という種類で、インフルエンザワクチンなどに幅広く使われている技術である。抗原という体内で免疫反応を引き起こす物質を工場でつくりそれを注射する。
一方、ファイザーやモデルナのワクチンは新しい技術を利用したもので、「メッセンジャーRNAワクチン」、アストラゼネカは「ウイルスベクターワクチン」と呼ばれ、体内で抗原をつくる。
〈Vietnam News/Saigon Times/Reuters〉
これらのニュースは各ソースを参考に記事を編集・制作しています。