新型コロナウイルスの影響で外出の自由がなくなり同年代の友達に会えないなど、今までは当たり前だった生活を送ることができない高齢者は精神的負担が大きく孤独感や疲労感に苛まされている。
保健省人口家族計画局によると約72%が子供と一緒に暮らしているが、それでも孤独を癒すことはできないようだ。
ハノイのバーディン区で娘家族と一緒に暮らしているグエン・ティ・キム(Nguyen Thi Kim)さん83歳は、いつも朝5時に起きて、近くの公園で年配の友人たちと体操をした後、地元の市場まで歩いて行き、その日の食料品を買う生活スタイルだったが、今は仕方なく屋上で植物に水をやり、子供や孫がまだ寝ている7時までに朝食をとる。日中は忙しくする家族を煩わしたくないと話しかけることを遠慮しているという。
さらにキムさんは昨年夫を、今年初めにはよく一緒に遊んでいた3人の友人を亡くした。夫は葬式もできず、友人の葬式には参加もできなかったとため息交じりに話す。
グエン・ティ・ロアン(Nguyen Thi Loan)さん68歳は、子どもたちからiPadをもらい、親戚や友人にビデオ通話をする方法を教わった。しかし、数日後には使い方を忘れてしまい、子供や孫に助けを求めなければならなくなってしまった。「タッチスクリーンには慣れていないし、使い方を覚えるのにストレスを感じます」と彼女は悲しげにいう。
前述のキムさんは「最新のデバイスを使いスクリーン越しに会話をしなければならないほど孤独なのだと気づかされます。私の年代は小さなスクリーン越しではなく直接会って話がしたいんです」と話す。
このように慣れないことに向き合わなければいけないことも多くの高齢者のフラストレーションは溜まるいっぽうだ。
7月に英国のランカスター大学が行った調査によると、最新技術のデバイスで友人や家族と連絡を取り合うことで、多くの高齢者がより孤独を感じていることが明らかになったと『The Guardian』紙は伝えている。
最近はこの長引く規制の状況に我慢できず、外に出る高齢者も出てきた。
実際、ここ数週間、首都の多くの高齢者が社会的距離を置くルールを無視して、運動のために街に繰り出していることが目立っている。
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