保健省が提案した人口法の初期案には、各方面からコメントや提案が寄せられている。同省は、母親がいつ第一子を産むか、またどのくらいの期間をおいて第二子を産むかについての詳細なデータとともにこの草案を政府に提出する予定である。
現在、第1子の場合、同省は3~400万ドン(約15,000~20,000円)、第2子の場合は900万ドン(約45,000円)までの支援を提案している。このような出産奨励策が提案されたのはベトナムの歴史上初めてのことで、この政策が若い世代にどのように受け止められるのか注目されるところである。
しかし、どの国も長年にわたって人口に関する政策をいくつか打ち出してきたが、理想的な効果が得られるとは限らないということが分かっている。
ロシアでは、核家族向けに数百万戸のアパートを建設したが、最近の若者は結婚したくないか、結婚が遅すぎて子供に負担をかけたくないと考えるようになっている。
1978年、中国は人口増加を抑えるために一人っ子政策を実施し、40年以上経っても3億人しか人口が増えなかったため成功したと考えられる。
しかし、この政策がもたらした負の要因は、どの家庭でも男の子ほしがった結果、男性の人口が女性の人口よりも20%多く増加したことである。この失敗後は一家族に2人の子供を持てるようにする法律に変えなければならなかった。
このように、人口政策は非常に難しく、適切な計画を立てなければ、実際に意図した効果とは逆転してしまう可能性がある。
現在のベトナムでは、急速な高齢化や少子化、地域間での不均等な人口分布など、人口の増加や比率に関する問題が生じ始めている。
ここ10年、ハノイやホーチミン市などの大都市では、若い男女が結婚せずに独身生活を選択するケースが増えている。
また、女性は28歳以降、男性は32歳以降と遅い時期に結婚する傾向があり、子供を望まない、または一人だけ望む人が多い。
この背景には今の時代、子供を育てるのはとても大変なことで、現在の生活環境は若い人たちに出産を恐れさせ、一度出産したら二度目は産みたくないと思わせている。
そのため、政府は出産時の一時金だけではなく、重要なのは環境や生活の質に関連することの改善が必要と考えられる。
健康的な環境と安全な社会の中で、健康的で清潔な食べ物を与えられ育つならば、子供の将来は豊かなものになることが保証される。生活水準が向上し安定した収入を得られ、周りの環境が整っていれば、多くの人が子供を育てたいと思い、政府が若い人たちに子供をもつことを奨励する必要はないのかもしれない。
ホーチミン市においては、急速な高齢化と国内の少子化による労働力不足に直面するのではないかと危惧している指導者もいるが、実際のところ、ホーチミン市には国中から絶えず人口が流入しており、常に全国から若くて健康で知的な若者が殺到し、勉強したり仕事をしたりするため生産年齢人口が減少することはないと考えられている。
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