日本の有名なアニメ映画「もののけ姫」を見たことがあるだろうか。圧倒的スケールで自然と人間との戦いを描いた、ジブリ映画を代表する作品のひとつだ。その舞台のモデルとなったと言われているのが、この屋久島だ。
「もののけ姫の森」と呼ばれる、白谷雲水峡。鮮やかな苔が生え渡る (Photo: PIXTA)
九州本土、鹿児島県の佐多岬から南に約60kmの場所に浮かぶ、全体の約90%が森林に覆われた島。現在は約13.000人が住んでいる。1993年に、青森県と秋田県にまたがる白神山地とともに、日本初の世界自然遺産に登録された。対象となったのは、島の面積の約21%にあたる107.47㎢。原始の動植物がおりなす特異な自然美、貴重な生態系が登録の決め手となった。
屋久島のシンボルともいえるのが、島に点在する巨大な杉の樹。一般的な杉の寿命は200年から500年といわれているが、屋久島の杉は何千年の単位で生き続けており、1.000年をこえるものだけが「屋久杉」と呼ばれている。長寿の理由は、山地では年間8.000mmを超えるという降水量だ。その量なんとホーチミンの4倍。雨が多く、湿度が高いため、一般の杉に比べて6倍もの樹脂がたまるのだという。そのおかげで腐食しにくく、長生きすることができる。もうひとつの理由は、屋久島の土壌。養分が乏しい花崗岩が主体であるため、樹の生長が遅くなる。結果として、木目がみっちりと詰まって密度が高い、たくましい樹に育つというわけだ。
屋久杉の中で最大の巨木は「縄文杉」だ。高さ約25m、周囲約16m。日本の縄文時代(今から15.000 – 2.300年前)から生きていることから、縄文の名が付けられた。推定樹齢は定かではないが、現在では2.000年以上であることが確認されている。メインとなる登山口からは約22km、往復で約10時間を要する。容易には辿り着けないが、その神聖さは多くの人々をひきつけてやまない。現在は環境保護のため、樹の真下まで近づくことはできないが、森の奥深くへ進んで行き、ようやく巨大な縄文杉と出逢ったとき、言葉にはできない感動がわたしたちを包むのだ。
屋久杉の中で最大の巨木、「縄文杉」(Photo: SAORIGRAPH/PIXTA)
屋久島には他にも、推定樹齢3.000年で300年前に伐採されたとされる巨大な切り株「ウィルソン株」、縄文杉の次に大きい推定樹齢3.000年の「大王杉」、10種類以上の植物が着生している推定樹齢3.000年の「紀元杉」など、いくつもの大樹がある。
ウィルソン株の中から見上げた景色。穴の形はハート型のよう (Photot: polo/PIXTA)
屋久島で樹齢1、2位を争う紀元杉 (Photo: PIXTA)
屋久杉は10年後20年後などではなく、1.000年、2.000年先を見据える。その大きな存在は、たった一瞬を生きているに過ぎないわたしたちに、大切なことを問いかけるだろう。
屋久島の人口よりも多く生息しているとされる、屋久島の鹿と猿。日本の一般的な鹿と猿よりも、小柄なのが特徴 (Photo: PIXTA)
SENDA MAYU/ kilala.vn
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