日本の大手銀行が次々を出資や買収、提携など行い、ベトナムでの存在感を増している。
南部に拠点を置くOCB銀行(Orient Commercial Joint Stock Bank)は、戦略的パートナーであるあおぞら銀行への追加株式発行を提案した。
この株式の譲渡は2022年第1四半期に放出する予定となっている。
以前、OCB銀行は2020年半ばにあおぞら銀行への株式15%の売却を完了し、同行の定款資本は過去最高となった。外国人持株比率は現在10%となっている。
残りの株式を売却し、外資比率を規制値である30%以下にするために、潜在的な国際的パートナーと交渉していると言われている。
VP銀行(Vietnam Prosperity Joint‑Stock Commercial Bank)は、株主に外国人持株比率の上限を15%から17.5%に引き上げるべきかどうか意見を求めている。
最近の投資家向けプレゼンテーションで、VP銀行の経営陣は、この計画が2022年第1四半期に完了すると推定し、成功すれば同行の自己資本は過去最高の約52億2,000万ドル(約5960億円)に達するとしている。
2021年半ばの消費者金融最大手FEクレジットに出資したSMFG(三井住友フィナンシャルグループ)はVPB銀行のパートナーとなる可能性がある。
SMFGの太田純CEOは、2021年にアジアでの合併買収(M&A)活動に33億ドル以上(約3770億円)を費やした。
その後も良いターゲットがあれば検討する。最終的な目標は、第2、第3のSMBC(三井住友銀行)グループを作ることだと述べている。
しかし、SMFGの積極的な取り組みが成功ばかりとは限らない。2007年には、2億2500万ドル(約257億円)近くを投じてEXIMBANKの株式15%を購入したが、同行のさまざまな財務上の問題を理由に株価は数年にわたり急落した。そればかりか、EXIMBANKの株主は2013年以降、配当金を受け取っていない。
MUFG(三菱UFJ銀行)傘下のタイの準大手商業銀行アユタヤ銀行(Krungsri)は商業銀行SHB傘下の消費者金融会社SHB Financeを買収した。
MUFGは現在、アユタヤ銀行の株式の77%近くを保有しており、融資と預金の面でタイ第5位の銀行となっている。
また、ベトナムの国営金融機関であるVietinBankの約20%はMUFGが保有している。
このような強力な財務基盤を背景に、SHB Financeを通じてベトナムの消費者金融分野での存在感を高めると予想されている。
みずほ銀行は、最大1億7000万ドル(約194億円)を投じてホーチミン市に拠点を置く電子財布「MoMo」を運営するM-Serviceの7.5%の株式を取得した。
また、現在、ベトナムの国有金融機関であるVietcombankの株を15%所有し、Vietcombankの副総裁が同行の外資比率を25%に引き上げる戦略を明らかにしたばかりだ。
同行は、世界的な投資という点ではSMFGやMUFGに遅れをとっているが、アジアの成長分野を積極的に開拓を目指していると予測される。
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