FLC会長、株価操作で逮捕

不動産開発会社FLCの会長であるチン・ヴァン・クエット氏（Trinh Van Quyet）は、3月29日に株価操作の疑いで逮捕された。
また、4月4日には同社の会計士であるチン・ティ・ミン・フエ氏（Trinh Thi Minh Hue）も、兄クエット氏の株価不正操作を手助けした疑いで逮捕された。さらに実妹でBOS証券の副社長のチン・ティ・トゥイ・ガー氏（Trinh Thi Thuy Nga）も関与したとして逮捕された。

公安省によると、クエット氏はFLCやBOS証券などの複数の容疑者と共謀して、2022年1月10日に株価操作と情報隠蔽を行い、投資家に深刻な損害を与え、ベトナムの証券取引所の運営に影響を与えたとされる。

彼は1月10日に7480万株のFLC株を売却したが、この時、売却計画を事前に開示しなかったとして、15億ドン（約800万円）の罰金と5カ月の証券市場での取引禁止処分を受けた。

2017年11月には、同様にFLC株5700万株を売却したとして、6500万ドン（約35万円）の罰金を科されている。

彼は2001年に弁護士としてのキャリアをスタートさせ、仲間とともにSMiC法律事務所を設立し、数々の事業を立ち上げ、そのすべてを統合して2010年初めにFLCグループをつくった。FLCが設立したバンブーエアウェイズは、2019年に航空市場に参入した。
FLCのチャーター資本は、10年以上の運営を経て、2021年初めには10兆5000億ドン（約564億5千万円）となった。
2022年1月時点で、FLC会長は約30％に相当する2億1500万株以上のFLC株と関連企業の株式数千万株を保有していた。
ベトナムの証券取引所で最も裕福な人物の1人とされていた。

同グループは声明を発表し、証券売買取引におけるクエット氏の「個人的な行動」がFLCの事業や生産に影響を与えることはないとしている。
FLCと子会社バンブーエアウェイズの会長には、ダン・タット・タン副社長（Dang Tat Thang）が就任した。